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アンチ-ロマンチシズムと文学との幸福な共存を謀ります。当面、「炭鉱のカナリア」になる決意をしました。第二次安倍政権の発足以来、国民は墨を塗られるだろうと予測していましたが、嫌な予感が現実になりつつあります。日本人の心性や「日本国憲法」の問題などを取り上げながら、自分の明日は自分で決めることの大切さを、訴えていきたいと思います。
破壊的な状況を(我知らず)待ち望む、という大変恐ろしいことが、人間の心の中では起こる場合がある。
アンネ・フランクの本を破損したり、戦争に前のめりになったり、とは最近の日本に限ったことではない。

私は、私の人間性を疑われかねないのだが、恥を忍んで自分の経験を明かそうと思う。そして、「右翼化」しているというより「暴力的なもの」が悪びれもせず表を歩いている今の日本の風潮に、ちっぽけな歯止めを掛けたいと願う。

私はつい3年くらい前まで、自分の心の中に湧き上がる奇怪な想念に、悩まされていた。
「飛行機が墜ちればいいのに」という考えが、打ち消しても打ち消しても浮かんでくるのだった。
自分の忌まわしい「願望」を否定し去ろうと、日航機墜落の際の報道をあえて思い起こしたりしたが、どうしてもその考えが心に浮かんでしまう。
自分が悪魔のように思えて、人にも相談できず悩んでいたが、以前から折に触れて河合隼雄の本に助けられていたことを思い出し、本家本元のユングを読んでみることにした。

カール・グスタフ・ユングとその高弟ノイマンの著書を何冊も読んだ結果、私が幼少期からタブーとされてきた、次のような考え方・行動をとれるようになった。

(血縁のある)家族を「無条件に」受け入れることは、時として難しいし、受け入れるべきではない場合さえある。

ユングやノイマンがそのように明言しているわけではない。しかし、彼らの「暗い」人間観は、エセ家族への疑いを持つことが反道徳的でも何でもない、むしろ当たり前のことだと、私の背中を押してくれた。
それで私は、母親とその母親(祖母)に対して宣言した。
「これまでの間違った態度を改めるなら話は別だが、あくまで自分たちが正しいと言い張るなら、生きて顔を合わせることは二度とない」と、言うべきことを言い、実際に音信不通となるよう、いろんな手段を執った。
祖母らに押しつけられた「霊友会」なるエセ仏教とも、縁を切った。
このブログを始めた頃のことだ。

それからしばらくして、気づくと、あの悪魔のような想念が一切、私の心に浮かばなくなっていた。
私はどうやら、因果を把握することに成功し、悪い原因を正しく断ち切ったようだ。

親孝行だの、人助けの「菩薩」の行いだの、色んな「作り話」を受け入れるようコントロールされて、自分が何に腹を立てているのかさえ自覚できないようにされれば、人間はあらぬ方向に、その怒りを向けるようになってしまう。
「江戸の敵を長崎で討つ」というやつだ。
街頭で、あらぬ方向を実際に切りつけて、刑罰を受ける人もいる。
しかし私もそうだが、実際に自分の手を下さずに、何か大きな力を持つものに頼って「災厄」を引き起こしてもらおう、と願う人間の方が、多いのだろう。そうすれば自分は汚れずに、罰も受けずに済む。
人間は、他の何かを傷害している時でさえ、自分自身は傷つかない為の「装置」の中にいるものだ。「作り話」とは都合のいい「装置」だ。
だから、自分が「江戸の敵を長崎で討」ちたがっているとは、人はなかなか自覚できない。むしろ、自覚を逃れようとする。

しかし、自覚なしに「災厄」を望み、大勢の人が破壊的な状況に陥ることを是とする心は、それを高みから(?)望んでいる人をも、壊していくだろう。
もっとも、今の日本のように間違った事がまかり通り、引き返し難く見えたりすると、あとは野となれ山となれ、とばかりに、よく考えもせずに悪い方向へ行きたがっている人が増えているのかもしれないが・・・。

私は自分の内なる悪魔の声に悩まされていたが、同じ環境で虐げられていた私の弟は、中学生の頃、ヒトラーに心酔していた。
彼が小学校高学年から中学校にかけてのことだったが、「アウシュビッツ」とか「ハーケンクロイツ」とか「ホロコースト」とか、恐ろしい言葉をわざと口にして、喜んでいるように見えた。ナチスの将校の名前を、ずいぶん聞かされたが、英雄扱いだった。
私は当時、何故そのようなものを弟が崇拝するのか全く理解できず、ひたすら気味が悪かった。
しかし、今思えば、弟もまた、怒りをあらぬ方向へ向けていたのだろう。
母親や祖母のやり方は、外から批判されないよう周到で、陰にこもっていたし、彼女らを非難するのは許されないと、弟もまた思い込まされてきたのだから。
今現在は、弟は、ナチスを崇拝していたことなど、忘れているかもしれない。
私よりもずっと早く彼女らと縁を切り、自分の家族を持っている。自分のライフサイクルを、まっとうに経ようと努力しているようだ。

人は、全ての抑圧からは逃れられないが、それらをできる限り取り除く方向で、いつまでもいつまでも、努力すべきなのだ。



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[2014/03/12 17:00] | 右翼・戦争・カルト
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