アンチ-ロマンチシズムと文学との幸福な共存を謀ります。当面、「炭鉱のカナリア」になる決意をしました。第二次安倍政権の発足以来、国民は墨を塗られるだろうと予測していましたが、嫌な予感が現実になりつつあります。日本人の心性や「日本国憲法」の問題などを取り上げながら、自分の明日は自分で決めることの大切さを、訴えていきたいと思います。
『民意のつくられかた』(岩波書店)や『「心」と「国策」の内幕』(ちくま文庫)などの著者、斎藤貴男。
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今回は、その斎藤氏の『安倍改憲政権の正体』(2013年6月,岩波ブックレットNo.871)から。
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目次
一 安倍政権をどう見るか
二 アベノミクス、TPP参加が意味するもの
三 衛星プチ帝国の臣民を育てるために -教育は誰のものか-
四 改憲への意欲
五 恥ずかしい国へ

東南アジアやアフリカで、道路や鉄道、港湾、その他あらゆるインフラを建設し、資材を供給し、完成後の運用まで引き受ければ、企業は莫大な利益をあげられる。
かつて植民地帝国を築いた欧米先進国は、現在も「インフラの海外輸出」をやっているし、中国も派手にそれを進めて、現地の顰蹙を買ったりしている。
日本も国家戦略として、2010年6月、時の民主党政権が、「新成長戦略」の中でインフラ輸出を強力に打ち出している。
そういう独自でも何でもないアイディアを今、大企業偏重の安倍晋三は、将来のリスクも顧みず推し進めている。

「パッケージ型インフラ海外展開」という国策は、斎藤氏の考えでは、大きく二通りの危機を招くという。第一に、「だから原発の再稼働だ」という流れが形成されること。

自国の技術を信用できず、「危ないから」と既存の原発を停止し続けている国の原発を、外国は買ってくれません。現物が動いていないのでは、相手国の要人を接待のために招待する口実も作れない。かくて日本列島は国を挙げて原発のショールームとされるのであり、この国で暮らしている人間はそれだけで、いつの間にか株式会社オールジャパンの命知らずのカミカゼ・セールスパーソンに仕立て上げられてしまいかねないのです。
(『安倍改憲政権の正体』p51-52)

第二の問題は、日本人と「テロ」を関連づけ、邪魔な憲法9条を壊そうとする動きにつながること。

パッケージ型インフラ海外展開が推進されていけば、それに関わる日本国民が海外でトラブルに巻き込まれる可能性は飛躍的に高まります。ましてや安倍政権のように、ここに資源の権益確保を絡ませれば、二〇一三年一月にアルジェリア・イナメナス郊外の天然ガスプラントが武装グループに襲撃され、一〇人の日本人を含む約四〇人もの関係者が殺害された事件のようなテロリズムに直面するケースさえ、珍しくなくなっていくでしょう。
(『安倍改憲政権の正体』p52)

要するに、「日揮」のような企業のために、安倍自民は、自衛隊(国防軍)をアフリカに送り込みたいのだ。そのためには、9条が邪魔。
日揮の事件を受け、海外での緊急時に自衛隊による在留邦人の陸上輸送を可能とする改正自衛隊法が成立した(2013.11.15)。今後、安倍政権は邦人救出のために武器も使えるよう法改正なり解釈改憲なりを目指すはずで、いっそ9条を撤廃してしまえば、彼らは何でも出来るようになる。

安倍の賛同者達は、対中国の問題ばかり見ているのかもしれないが、いつかは民主化され崩壊さえするかもしれない中国共産党より、イスラム武装勢力の方が余程厄介だと、私は心配でならない。
中国では最近、雲南省での無差別切りつけ事件等が起こっているが、国内の不満が高まり政権崩壊に至れば、共産党の幹部なんて国外に逃亡してアッサリ終わりだろう。(混乱はあるだろうが、敗戦時の日本人が全体主義者たちを排除できてホッとしたように、中国人は民主的な政権を喜んで受け入れるだろう。)
しかし、イスラム武装勢力は、そう簡単には引いてくれない。一神教を背景にして、過激な行動と信念に命をかけている勢力である。「我こそが未完の革命を成し遂げる」というイスラム過激派の声は絶える事がないという(仏戦略研究財団副所長ジャンフランソワ・ダギュザン氏)。
そういう武装勢力が跋扈するアフリカに、日本の「軍隊」が足を踏み入れることを、日本人はなんと考えるのだろう?


靖国にクリスチャンまで合祀して何とも思わない様な、「一神教」に理解の欠片もない暗愚の政治家がやらかすことだ。さぞかし、日本に大きな危機を招いてくれるだろう。
甘い見通しでのこのこ出かけて、自衛隊が現地人を殺傷するようなことが起これば、日本人が過激派の憎悪の的になる可能性だって、安倍の下でならあり得る。
今後もし本格的に日本人の「右翼化」が進んでいけば、日本人は現人神崇拝の「異教徒」だ、という従来とは違った「日本人像」で見られかねない。総理とその取り巻きの思慮分別のない発言が、瞬時に世界に伝播される時代だ。

今回(註-日揮の事件)は、施設にいた外国人技術者を一網打尽にしたものとみられ、特に日本人を狙ったものとは考えにくい。だが、イスラム過激派にとって日本人は、フランス人や米国人ほどではないにしても「邪教徒」であることに変わりはない。
(フランス研究情報センター主任研究員アラン・ロディエ氏,『朝日新聞』2013.1.18)

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そのフランスがマリに軍事介入して、どんな泥沼にはまっているか。
日揮の事件当時の新聞記事などを引っ張り出して読んでいたのだが、これが骨折りである上に憂鬱な中身だ。
目を通すのに何日もかかってしまった。ε=(・o・*) フゥ

そもそも、日揮の事件の引き金になったのが、アルジェリアの隣国マリへの、フランス軍による空爆だったとされている。フランスはマリやアルジェリアの旧宗主国。マリとその周辺国には、フランス系住民も多く、金やウランなどの鉱物資源が豊富だから、西アフリカ一帯の治安の悪化はフランスの「国益」への脅威になる訳だ。そのマリでは、反政府勢力が北部全域を制圧し、無政府状態になっているところへ、複数のイスラム武装組織が相次いで入り込んでいる。そこを仏軍が空爆し、武装勢力側に数百人の死者が出るなど、戦闘が激化した。資料を継ぎ接ぎ、要約すると、こういうことになる。

アフリカ諸国とその資源を狙う先進国との間で起こる問題は、恐ろしく複雑だ。日中や日韓の問題も十分に複雑だが、それ以上だ。
そもそもアフリカ諸国では、政治不安が起こりやすい。アフリカの場合、政治不安は国境を容易に越えるから、関係する国の数も多くなる。マリの情勢不安はアルジェリアに飛び火する。
政治不安となれば、意見の対立なんて優しい状況ではなく、内戦にまで進む。イスラム過激派は、その内戦を巧みに利用する。
最も厄介なのは、アフリカの国民とイスラム武装組織は必ずしも敵ではない事。そこに先進各国の国益が絡む。
オセロの石が、白から黒へ一挙に変わるように、うっかりしているとパーツの意味が逆になっている。
どこの肩を持つのか、が非常に難しい。自衛隊はどの方向に銃口を向けるのだろう?イスラム武装組織のみを排除するのは、上の事情を考えれば不可能なのだ。
日中・日韓関係さえうまく処理できない暗愚の安倍政権には、これらの事情を理解することが、先ず難しいだろう。
彼らは、理解を補う想像力も持ち合わせていない。

日本企業の為にアフリカに「国防軍」を送り込んでも、邦人と日本企業を守ってサヨナラ、とはならない事、日本人はよく考えておく必要がある。
アフリカ人とイスラム勢力を刺激して収拾をつけられなかったら、例によって「○○は無かった」と言って済ませる訳にはいかないのだ。
誤解を恐れずに言えば、「無かった」と言って日本人が平穏な日常を過ごせているのは、相手が中韓だからかもしれない・・・。
東アジアの枠の中で「高が知れている」者同士でガス抜きをしている、としか私には見えない。
しかしアフリカは、東アジアの同類ではない。マリの反政府勢力「アザワド解放国民運動」の様なものは、日本でも韓国でもあり得ない。
リビアのカダフィ政権崩壊時にカダフィ政権側に立って戦った、「アザワド解放国民運動」が、高性能の武器を大量にマリに持ち帰ったことから、マリ政府軍が圧倒されてしまったのだが、さらにその「国民運動」を駆逐してしまう武装勢力など、大人しいアジア人とは根本的に違う・・・。
遊牧民のトゥアレグ族の動向を見ても、日本人の感覚から言って、アフリカは別世界だ。思考回路も体質も違う。

マリ政府は北部を勢力圏に置いていた遊牧民のトゥアレグ族を冷遇した。不満を募らせたトゥアレグ族はイスラム武装勢力に近づき、反政府闘争を勢いづけるための道具として過激なイスラム思想を利用した。北部で政府軍を瞬く間に撃退し、サハラ砂漠の一帯に無政府状態が生まれた。
(仏戦略研究財団副所長ジャンフランソワ・ダギュザン氏,『朝日新聞』2013.1.26)

その国の「支援」をしつつ日本企業が儲ける「Win-Win」のうまい話だ、と得意がっていたら、いつ日本への「好印象」が一変するか、計り知れないものがあると、ダギュザン氏の言葉は示している。
「まずは経済」と安倍流の軽い頭で関わろうとしているのだろうが、欧米の軍隊と連携する事態になれば、日本は否応なく「価値観」の中に引きずり込まれる。
フランス軍が介入するのが良いとは言わないが、少なくともフランスの場合は泥沼に陥っても「民主化」の「旗」を降ろす気はない。方や、日本国内を「非民主化」しようとしている日本は、どんな建前で銃口を向けるのだろう?
もはや有害な「建前」もない日本は、フランスより高潔だとでも、自負する気か?
日本は「ウチは経済だけです」といって、他国で武器を使う気だろうか???

アフリカのその国が、民主化を求めているのか?イスラムの宗教的価値を重んじる政治を目指しているのか?
その点一つとってみても、外国が判断し関与するのは、至難の業だ。
そして、その国自体が混乱の中にあるとしても、その国にも主権があり、国内で起こっていることをどう処理するか、決めるのはその国だ。

10年に及ぶ内戦を経験し、数千人がテロの犠牲になったアルジェリアは、欧米や日本の感覚とはまったく違う対応をするのが常だ。主権へのこだわりは尋常ではない。今回も英国やフランスは人質を救出するための特殊部隊の派遣を持ちかけたようだが、アルジェリア側が優先していたのはテロリストを壊滅することだった。国の権威を守ろうと強硬策にふみきり、人質の命は後回しにされた。
(仏戦略研究財団副所長ジャンフランソワ・ダギュザン氏,『朝日新聞』2013.1.26)

日本が人質を救えなかったのは、「特定秘密保護法」がなくて情報をもらえなかったからだろうか?
自衛隊がアルジェリアで武器を使えなかったからだろうか?
アフリカの事情は安倍自民が考えるより複雑で、「産官学」総動員で情報を共有する必要がある。秘密主義や武器依存では逆に、アフリカと日本の安定を壊すだろう。

よその国に入っていって資源などを利用する事は、どんなに相手国の利益を強調しても、本質的に相手から疎んじられる行動だ。
技術が無い国に技術を提供してあげているという気でいても、相手国は早晩、「自分たちの手で」と考え行動するようになる。
それが主権とか主体というものだ。相手側も主権を持っていて、いつか自立する。「支援」に「Win-Winの関係」などという卑しい発想を絡める者の性根は黙って見抜いており、離れていき、追い越しさえする。
「支援」相手に追い越されるのが不満な人間は、最初から相手の為などという「作り話」をせぬがよい。


日本の国内で、国民の主権を剥奪しようと目論んでいる政治家が、アフリカに対しては自立を喜ぶだろうか?
本性は、どこかで必ずあらわになるものだ。

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[2014/03/05 17:08] | 憲法問題
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https://twitter.com/matsuikei そもそも、安倍さんが総理の時に、彼の責任のもとに憲法の解釈を変えるなんてシュールな話じゃないか。 彼には物事を解釈するほどの知性なんか与えられてないだろう。 そんな莫迦な。 こんなことやってたら、遊就館みたいな施設ばっかりになっちゃうよ。 そもそも、学術てのは政府から独立してないと、政治にいいように利用されるだけだよ。 ...
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