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アンチ-ロマンチシズムと文学との幸福な共存を謀ります。当面、「炭鉱のカナリア」になる決意をしました。第二次安倍政権の発足以来、国民は墨を塗られるだろうと予測していましたが、嫌な予感が現実になりつつあります。日本人の心性や「日本国憲法」の問題などを取り上げながら、自分の明日は自分で決めることの大切さを、訴えていきたいと思います。
参議院選挙では、大方の予想通り自民党が大勝したものの、これも予想通り公明党と合わせて、という形になり、少しほっとしている。
憲法を変えたがっている自民党に対し、「ブレーキ役」を公言する公明党に期待する以外に、私には選択肢がなかった。

スワンボートconvert

新興宗教の団体を支持母体とする政党。
そんな党にだけは投票しない、というのが、私の原理原則なので、安倍政権が発足してからというもの、いずれは決めねばならないとずっと悩んでいた。
私の一票が当落を左右するはずもないが、普段の態度との一貫性という点で、こだわらない訳にはいかなかった。
「何でこんな酷い目にあうのか?」「こういう事態を作り出している元凶は何か?」
と、悩んで悩んで、悩みまくってきたのだから。

投票用紙を渡されてもまだ決めかねていたが、今度だけは節を曲げるしかない、と公明党に票を入れた。

私は、「創価学会」がどういう団体なのか、その中にいて酷い目にあった「霊友会」ほどには、知らない。
「日蓮主義」を都合の良いように継ぎはぎするという事は、警戒すべき事である。
その点では、両者は似たり寄ったりで、「要注意」だと思う。
そういう団体が支持している政党に頼らざるを得ない、というのは、末期的である。

安倍政権が、その公明党を振り切る、という事態になるかならないか、現時点では分からないが・・・。
悪くすると、政治面でも経済面でも、日本は「暗黒の時代」に入るかもしれない。

「円安」期待は、たぶん、アベクロの思い通りにならないだろう。
一時的に105円だの110円だのにタッチすることはあっても、そのレベルに止まるのはかなり難しそうだ。
103円程度で大雪崩を起こしている間は、アメリカの輸出産業も我慢しているだろうが、彼等がアメリカ政府に圧力をかけ出すやいなや、投資家達は手仕舞いに向かうだろう。(そういう動きは、すでにあった。)
中国や欧州で、危機の予兆があると、皆が「円買い」に走る。
「円」が、「相対的」に安全な資産と評価されているからだ。
せっかくそんな風に評価されているものを、無理にねじ曲げようとしても、引力によって落下するように容易に、「円高」に振れてしまう。

「消費税」を増税するかどうかも判断は難しく、「庶民」にとって、とりあえずは不利であること、明白だ。
しかし、増税する以外にないのだろう。
麻生太郎は、安倍よりは経済に通じているようで、「マーケット」の反応を気にしている。
日本は財政再建をする気があるのか?と疑われると、「日本国債」が危ないことになるだろうと。
円相場や株価にばかり気を取られる向きがあるが、「扇のかなめ」は国債である。

「マーケット」なんて外国人投資家達の顔色をうかがって、私たち日本人の生活が左右されて良いのか?
と、納得できない人もいるかもしれない。
けれど、「異次元金融緩和」とはそういうものであり、「輪転機をクルクル回して」と言う安倍が選挙で勝って以来、日本の政治経済と「マーケット」とは、「一蓮托生」の関係に入ったのである。
ジェットコースターのように「円」の価値が乱高下し、一流企業の株までも「仕手株」と化した状況は、ファンドの連中が待望していたものだ。

ただ、「マーケット」の顔色をうかがうことは、悪いことばかりではなく、意外に、私達小市民はそれによって救われるかもしれない。

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戦争は、不景気を吹き飛ばすための強力な手段ともいえるが、穏健な経済活動を望む投資家が多いのだろう。
安倍政権の「右傾化」もまた、投資家達の懸念材料だ。

前の記事に対する、MASHIYUKIさんからのコメントに、私の返事として書いたのだが・・・。

中国と戦争になった場合、勝算はどのくらいあるのか、それこそ「現実離れした理想」ではなく、リアリズムでもって、はじき出してみるがいい。

中国が戦勝国になったら、尖閣だけ渡せば済むだろうか?
沖縄本島まで取られないだろうか?

ではどういう事態になれば、日本が中国に勝って、「尖閣は諦めます」と中国に言わせることが出来るか?
精鋭パラシュート部隊が降下して、上海でも制圧するか?
東シナ海で、中国戦艦と中国戦闘機を、どのくらい撃破すればいいのか?
そんなことで、日中どちらも引き下がるはずはなく、都市を幾つか壊滅させるところまで進む必要があるだろう。
広島と長崎が壊滅したように・・・。

そうやって、広い国土と膨大な人口を持つ中国を降参させることが、本当に出来るだろうか?
日本の国土は狭く、人口は減少している。
青年層は特に少なく、戦争でまた減ってしまうのか?
おまけに、日本の狭い国土には、原発が乱立している。
ミサイルが一発当たれば、核兵器を使わずとも、放射能の害から逃れられない日本人が、大量に発生する。
「国を守るために戦うのが当然!権利を言うなら義務を果たせ!」と勇ましい事を言うのは、簡単だ。
そう主張するならば、戦争が始まる前に、日本中の原発を片付けるよう、世論は政府に圧力をかけるべきだろう。
停止中のものはもちろん、稼働しているものは止め、核物質が飛散しないよう、地中深くに埋める必要があるのではないか?


理想ではない現実というのは、後になって「知らなかった」では済まないほど情け容赦のないものだ。

「You Tube」にアップされている政治家の発言を聞いてみて欲しい。
すぐに消されてしまうかもしれない。
「文脈を無視」している、「揚げ足を取っている」と、擁護してあげるほど、値打ちの有る内容だろうか?
↓↓
軍法会議

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[2013/07/26 20:33] | 右翼・戦争・カルト
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河合隼雄の『母性社会日本の病理』は1976(昭和51)年9月に刊行されている。
この40年ほども前に書かれた本は、日本社会の根っこにある「病理」を考えるために、依然として有効だ。

人間の心の中には、「父性」と「母性」という対立原理が存在する。
河合隼雄は、日本という国は「母性」優位の心性を持つと見ていた。その点、基本的に日本は今も変わらない、と私は思う。

母性原理はその肯定的な面においては、生み育てるものであり、否定的には、呑みこみ、しがみつきして、死に至らしめる面をもっている。
(『母性社会日本の病理』,講談社+α文庫,p20)

カール・グスタフ・ユングの高弟である、エーリッヒ・ノイマンを引用すると、「母性」とは上のように説明される。
「母性」原理は、全てものを良きにつけ悪しきにつけ包み込んでしまい、そこでは全てのものが絶対的な平等性を持つ。
この原理によって、上手くいく面と、ダメになってしまう面と、両方がある訳だ。

一方の「父性」原理とは、「すべてのものを切断し分割する」。「主体と客体、善と悪、上と下などに分類」する。
こういう働きの上に、ものを考える、ということが成り立つ。
だから、父性原理は、進化、建設的な面、を持つ。ただ、「切断し分割する」働きが強くでた場合、破壊に至らしめるという、やはり両面性を持つ。

母性社会_convert_20130618155053

こういう風に「父性」「母性」という言葉が使われると、女性蔑視の感じを抱かせるかもしれない。
学術用語にも、おそらくジェンダーの問題が潜んでいるから、不快感を与えるなら、別の語に変えたって良い。
「母性」原理を「ベタ塗り」原理に。「父性」原理を「描線」原理に名称変更したらいいのでは、と私は考える。

この世界は、アモルフな斑模様のある、カンバスである。
ベージュかなにかの絵の具を、カンバス一面に塗る働き。
まだら模様に沿ったり無視したりしながら、カンバスに線を引く働き。
この両方が、人間の心の中にあると考えれば。性差別のイヤらしさを捨象して、心理学を有効なツールに出来る。

実際、河合も書いているが、「母」は、「肉親としての母ではなく、自我を呑みこむものとしてのグレートマザー」(p34)である。
「母性」は、すでに現実の個人としての母親の機能をはるかに超えており、すべての母に共通に普遍的な無意識の中に存在するものと考えられるので、このような母なるものの元型をグレートマザーと呼び、個々の母親と区別して考える。(p60)

この「母なるもの」は、現実には、男性や父親の中にさえ、存在すると言ってよい。
戦前から、未だ死に絶えていない「家父長制」的な父親について、河合は書いている。
父親は、家長としての強さを絶対的に有していても、「それはあくまで母性原理の遂行者としての強さであって、父性原理の確立者ではなかった。(p61)」

これは、河合隼雄ならではの、卓見である。

こういう「母性」あるいは「ベタ塗り」原理に依っている男性については、色んな例を挙げることが出来よう。
私の曾祖父は、明治生まれの田舎の「家父長」だったが、話に伝わっている言動からして、「西太后」まがいの暴君だった(*゜∀゜)。
あるいは、平成の「ストーカー」男とは、まさに「母性」原理が荒れ狂っている人間のことだ。

「母性」「父性」の弊害と可能性を考える時、実際の「性別」は本当に意味がないと分かる。
私の実母と祖母は、河合流に言えば。
“母性原理を遂行する「家長」である曾祖父の、縮小コピー”である。(^0^)

白鳥・_convert_20130717172302

ひとりの人間が、絵の具で塗り込められた時、どうなるか?
その絵の具が、真っ黒であるか、真っ白であるか、あるいはバラ色であるか、によって、反応は当然違ってくる。
私の場合、たとえ、バラ色だろうが、マリンブルーであろうが、塗り込められる事、動きがとれなくなる状態自体を、快く思わない。
そういう点で私は、いかにも日本人らしい、という性質の人間ではない。
だから、今日までこうして生きてこられた。

けれど、墨をぶっかけられても、むしろ快感を抱くことの出来る、不思議な人間もいる。
日本人の場合、「場の原理」とか、「和」などという価値観によって、そうなってしまう人が少なからずいると思う。
「保守」と呼ばれる政治家というのは、「ベタ塗り」原理、「母性」原理に貫かれた、まさしく日本的な人々である。

そういう政治家によって「ベタ塗り」されて、これからの時代を、日本人は安穏に生きられるか?
一体どこが、どう、圧勝させるほど評価できるのか?
よく考察も吟味もせず(つまり、父性原理が後退していて)、なんとなく良さそう、と「付和雷同」する「世論」。
考察と吟味が不可欠な問題が、山積なのに・・・。
難を逃れ続けてきた人間の「嗅覚」をフルに働かせて、予言したい。

墨か、タールを塗られるでしょう・・・。

はずれたら、皆にとって幸い。
その時は、嘲笑してやって下さい。



[2013/07/17 18:13] | ユングを通して見る日本・「私」
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MASHIYUKI
感服いたしました。
ズバリと真を捉えており、

《「母性」原理を「ベタ塗り」原理に。「父性」原理を「描線」原理に名称変更したらいいのでは、と私は考える。》

この表現は、秀逸ですね~。
いや~、スカッとしました。

河合隼雄氏の『母性社会日本の病理』という本は読んだことはありませんが、

小谷さんの上記の一言で読んでみようと思いました。

やっぱり小谷さんのブログは、読むとワクワクしますねぇ~。知的好奇心が刺激されます。



Re: タイトルなし
小谷予志銘

MASHIYUKIさんへ

いよいよ選挙ですが。
ロイターの記事(http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96H08V20130718)を読んでいて、安倍政権の今後について、企業の意識が割合まともなので、少し安心というか。右傾化の愚は企業の側も分かっているようで、日本人もそんなにバカじゃないと思ったり・・・。

「デフォルト」、「ガラポン」の末のファシズム・・・。
杞憂だったら良いんですが。
どうも、ああいう幼稚な人間がトップに立つと、ミスリードされるのが心配で。
自民党の政治家の中にも、もっと視野が広く見識のある政治家は、過去にいました。
安倍は選挙に勝ってしまえば、「釣った魚にはエサをやらない」という態度が、徐々に表に出て来ると思いますよ。

お身体、お大事になさってください。持つべきものは友ですねえ。
恢復しますよう、お祈りしています。



MASHIYUKI
小谷さんへ
参院選終わりましたが、私は安倍総理にリーダーシップがあるとは思っていないので、結局何もしない・できないまま、政権交代すると思いますねぇ。

企業のお偉方もその辺の事は分かっていて、取り敢えず下手なことはしないでという思いが、ロイターの記事のような結果になっているのではないでしょうか。 下手を打って問題がおこっても何もようせんでしょうし・・・

それから、私の身体の心配をしてくださり、ありがとうございます。
7/30に入院して8/1に手術です。どういう結果が出るか手術をしてみないことにはわかりませんが、頑張ります!

Re: タイトルなし
小谷予志銘
MASHIYUKIさんへ

当面は、公明党がブレーキ役になってくれそうですが、憲法を変えたいという安倍の執念はすごいですね。

9条のみを変えたいというのなら、私だって、分からなくもないんです。

国民主権や基本的人権の尊重の部分をいじろうとするのを、許してはいけない。
何故、そこを変えるのか?何故?
96条を先行改正するなんて、行き先の分からないバスに乗れと言われているのと同じ。
悪しきたくらみがあると疑わない方が、どうかしている。

「自分の国を自分で守るのは当然」と自民に追蹤する人々は、論点をロクに分かってないみたいですね。
阿部政権は「集団的自衛権の行使」をしたいわけです。つまり、日本の国土ではない所が攻撃された場合でも、日本軍を送り込みたい。
アメリカが攻撃されたから行け、と徴兵されて、賛成派の人は黙って行くんでしょうか?
尋ねてみたいです。
安倍の本性はファシストですよ。ファシストは、本当に優しげな紳士の外見で持って近づいてくるんです。
アベノミクスは撒き餌です。やり方が上手いですねえ。
世論を見ながら、言うことを微妙に変えたりして。

領土を守るべきではあるけど、じゃあ、中国と戦争して勝てるのか?
勇ましいことを言ってても、負けたら完全に取られますよ。沖縄本島までね!悪くすると九州の島も。
広大な国土と桁違いの人口を持つアメリカに挑んで、負けましたね。
中国に「尖閣はあきらめます」と言わせるために、都市をいくつ壊滅させる必要があるか?
その見積もり、シュミレーションをスルーしている人々に、「護憲は現実離れした理想」と言われる。
この食い違いを、何とかしたいですね。

憲法の問題については、これからもっと発信せねばなりません。
私の記事なんて、読んでくれる人は少ないけど。

手術頑張って下さいね。
そして、何を、どう、吟味せねばならないのか、発信して行きましょうよ。

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